「国民会議」と「国会」は何が違うのか――。
最近ニュースで頻繁に登場する「国民会議」という言葉に、疑問を抱いて検索した方も多いのではないでしょうか。
日本の正式な立法機関である「国会」とは異なり、2026年に入り、高市早苗政権のもとで設置された「国民会議」は、消費税減税や給付付き税額控除などの重要政策を議論する“協議の場”として注目を集めています。しかし一方で、参政党が参加できなかったことから「民意の排除ではないか」との批判も噴出し、政治的対立の火種にもなっています。
そもそも、国会と国民会議では法的な権限はどう違うのでしょうか。
なぜ「国会の外」で議論が進められているのでしょうか。
そして、そこで議論されている「給付付き税額控除」とはどんな制度なのでしょうか。
この記事では、両者の違いをわかりやすく整理するとともに、参政党をめぐる問題や政策論争の背景まで、順を追って解説します。
ニュースの断片では分かりにくい全体像を、ここで一気に整理していきましょう。
1. 「国民会議」と「国会」の違いとは?まず結論から解説
最初に結論を整理すると――
- 国会=憲法に基づく正式な立法機関
- 国民会議=政府主導で設けられた政策協議の場(立法権なし)
つまり、最大の違いは「法律を決める権限があるかどうか」です。
1-1. 法的権限の違い|決定機関か、議論の場か
国会は法律を制定し、予算を承認し、内閣総理大臣を指名する国家の中枢機関です。最終的な決定権を持つ、いわば“公式ルート”です。
一方、国民会議は政策テーマを幅広く議論するために設けられた場にすぎません。提案や方向性をまとめることはあっても、それ自体で法律が成立するわけではありません。
1-2. メンバー構成の違い|選挙で選ばれるかどうか
国会議員は国民の投票によって選ばれます。したがって、その発言や決定には民主的正統性が伴います。
対して国民会議は、与野党の一部議員や有識者などが参加する形式です。選挙で選ばれていないメンバーも含まれるため、「正統性」をどう評価するかが議論になっています。
1-3. 扱うテーマの違い
国会は国政全般を扱います。
安全保障、税制、社会保障、外交など範囲は無制限です。
一方の国民会議は、特定テーマに絞って設置されます。2026年の場合、焦点は消費税減税や給付付き税額控除などの経済政策に置かれています。
2. 国会とは何か?日本の唯一の立法機関
2-1. 憲法に位置付けられた国家機関
国会は日本国憲法で「国権の最高機関」と規定されています。
二院制(衆議院・参議院)を採用し、法律案の審議を重ねて最終決定を行います。
2-2. 法律が成立するまでの流れ
法案提出
↓
委員会審議
↓
本会議採決
↓
両院可決
↓
公布
この厳格な手続きを経て、はじめて法律が成立します。
つまり、どんな政策も最終的には国会を通らなければ実現できません。
3. 国民会議とは何か?2026年の動向
3-1. 政府主導で設けられた政策協議体
2026年2月、高市早苗首相のもとで、新たな政策協議の枠組みが立ち上げられました。
目的は、与野党の枠を超えて経済政策を議論すること。特に税制改革を巡る議論が中心となっています。
3-2. なぜ国会とは別に設置されたのか
背景には、国会での審議が対立構造に陥りやすいという事情があります。
より柔軟な意見交換を目指す狙いがあるとされますが、「なぜ正式な場でやらないのか」という批判も出ています。
3-3. 参加政党の状況
与党に加え、一部の野党が参加。
ただし、すべての政党が加わっているわけではありません。
ここが今回の大きな論点となっています。
4. 「参政党 国民会議」とは何が問題になっているのか
4-1. 参加をめぐる対立
参政党は議席を持つ政党ですが、今回の国民会議には参加していません。
党側は「有権者の意思を無視している」と反発しています。
4-2. 政府側の説明
政府関係者は、議論の枠組みとの整合性を理由に挙げています。
政策の方向性が大きく異なる政党を含めると、議論が収束しにくいという判断です。
4-3. 民主主義との関係
ここで問われているのは「誰が議論に参加できるのか」という問題です。
国会であれば議席数に応じて発言機会がありますが、任意の協議体では主催側の判断が大きくなります。この違いが、今回の対立を生んでいます。
5. 国民会議で議論される「給付付き税額控除」とは
5-1. 制度の基本的な考え方
給付付き税額控除とは、減税と現金給付を組み合わせた仕組みです。
税額から差し引いても余りが出た場合、その分を現金で支給します。
税を納めていない人にも支援が届く点が特徴です。
5-2. なぜ注目されているのか
消費税は所得に関係なく同じ税率がかかるため、所得が低いほど負担感が大きくなります。
その負担を緩和する方法として、この制度が検討されています。
5-3. メリットと課題
メリット
- 低所得層に直接支援できる
- 所得に応じた調整が可能
- 一律給付より効率的
課題
- 正確な所得把握が必要
- 制度設計が複雑
- 行政コストが高い
制度そのものは魅力的ですが、実施には慎重な設計が不可欠です。
6. 歴史用語との混同に注意
6-1. フランス革命の「国民議会」
歴史上、「国民議会」という言葉は1789年のフランス革命で使われました。
第三身分が自らを国民の代表と宣言した組織です。
6-2. 現代日本とは別概念
今回の国民会議とは制度的にも歴史的にも無関係です。
名称が似ているため混同されやすいだけです。
7. なぜ今これほど注目されるのか
最大の争点は「国会を通さない議論の正当性」です。
政策の中身以上に、
✔ どこで決めるのか
✔ 誰が参加するのか
✔ 透明性は確保されるのか
が問われています。
8. まとめ|違いを一言で言うと
- 国会=法律を決める正式な国家機関
- 国民会議=政策を話し合うための協議の場
今後の焦点は、この協議体がどこまで実効性を持つのか、そして最終的に国会でどのような法案として具体化されるのかにあります。
【図解】国民会議と国会の違いを一発比較
| 比較項目 | 国会 | 国民会議(2026年) |
|---|---|---|
| 法的根拠 | 日本国憲法に明記 | 政府の判断で設置される協議体 |
| 権限 | 法律制定・予算承認・首相指名 | 議論・提言のみ(決定権なし) |
| 位置づけ | 国権の最高機関 | 政策検討のための会合 |
| メンバー | 選挙で選ばれた国会議員 | 与野党の一部議員・有識者など |
| 決定力 | 可決すれば法律として成立 | 国会に提案するだけ |
| テーマ | 国政全般 | 主に税制・経済政策など |
| 2026年の焦点 | 税制改正法案の審議 | 給付付き税額控除の議論 |
| 政治的争点 | 与野党対決 | 参加政党の選別問題 |
Q&A|国民会議と国会の違いに関するよくある疑問
Q1. 国民会議は国会の代わりになるのですか?
なりません。
国会は憲法に基づく唯一の立法機関です。
国民会議は政策を議論するための協議体にすぎず、法律を成立させる権限はありません。
最終的な法案の可決は、必ず国会で行われます。
Q2. なぜ国会で議論せず、国民会議を作ったのですか?
背景には、与野党対立による審議停滞があります。
高市早苗政権は、より柔軟な意見交換の場を設けることで合意形成を進めたい考えとされています。
ただし、「国会軽視ではないか」という批判も出ています。
Q3. 参政党はなぜ参加していないのですか?
参政党は議席を持つ政党ですが、今回の枠組みには含まれていません。
政府側は議論の方向性との整合性を理由に挙げていますが、参政党側は「民意を排除している」と反発しています。
ここが現在の政治的対立の焦点です。
Q4. 国民会議にはどの政党が参加していますか?
与党(自民・公明)に加え、一部の野党が参加しています。
ただし、すべての野党が加わっているわけではなく、参加を見送っている政党もあります。
そのため「超党派」と言えるかどうかについても議論があります。
Q5. 給付付き税額控除とは簡単に言うと何ですか?
減税と現金給付を組み合わせた制度です。
税額から差し引いて余った分を現金で受け取れるため、税をあまり納めていない人や非課税世帯にも支援が届きます。
消費税の逆進性対策として注目されています。
Q6. 給付付き税額控除はいつから始まるのですか?
現時点では議論段階であり、実施時期は確定していません。
制度設計や所得把握の仕組み整備など、越えるべき課題が多くあります。
国会で法案が成立して初めて実施されます。
Q7. 「国民議会」とは同じものですか?
いいえ、別物です。
歴史上の「国民議会」は、1789年のフランス革命で誕生した組織を指します。
現在日本で使われている「国民会議」とは制度的な関係はありません。
Q8. 今後どうなる可能性がありますか?
ポイントは2つです。
- 国民会議の議論がどこまで具体化するか
- その内容が国会で可決されるかどうか
最終的な決定権は国会にあるため、国民会議はあくまで“準備段階”の場と考えるのが適切でしょう。